私たちの暮らしは、世界各地に多様に広がる生態系に支えられています。2018 年の世界自然保護基金の発表では、過去40年で世界の生物多様性の60%が失われたと報告されています。これは、食卓を見るとより明確で、私たち一人一人と密接に結びつく問題であることがわかります。例えば、各地方の伝統的かつ固有な在来品種や加工食品、伝統漁法による魚介類などのなかには、このままでは消えてしまうかもしれない、小規模な生産者しか生産していない希少な食材がたくさんあります。こうした地域における食の多様性を守ろうというスローフードのプロジェクトが「味の箱船」です。
- 美味しさ
- 伝統
- 環境性・社会性
- 生産の希少性
- 消失の可能性
の5条件に適合する食材・食品を世界共通のガイドラインて選定し、様々な支援策によって、その生産や消費を守り、地域における食の多様性を守ることを掲げています。1996年のプロジェクト開始から現在まで、5,500以上の世界中の動物、果物、野菜の品種と加工食品などが登録され、“食の世界遺産”とも呼ばれる国際カタログとして今も更新され続けています。